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tana始ー08ー369.png 0 す!考えを改めて下さい フィッツクラレンス家も ただではすみませんよっ」 「悪いけれど、少し黙っていて頂載」 「つ: ああだこうだと喧しい聖女のロに猿ぐっわをかませる。 王城内で妙なことを口走らないでもらいたい。 ただでさえ私たちは人目を引いているのだ。 王城に辿り着いて以降、謁見の間に向かう道すがら、 これまでに幾度となく兵に止められている。これをカ任 せに過ぎての進行である。道中では何度かファイアポー ルの世話になった。 でも、それもこれも仕方がないことなのだ。 だって彼のためなのだもの。 大丈夫、ちゃんと気を遣って撃ったから、死傷者は出 していない。 問題ないわ。 誰かの為に一生懸命になるって、こんなにも素敵なこ となのね。 まるで昨日までとは世界が違って見えるわ。 「お待ち下さい、エリザベス様っ!」「この先は謁見の間 です!」「既に謁見の最中となります!」「お止まり下さ 他に大勢、貴族の方々がいらしているのですっ!」 「どうか何卒、何卒思いとどまって下さい!」「エリザベ ス様っ!」 背後に連なる近衛兵を無視して私は進む。 やがて辿り着いた先は、謁見の間に続く巨大な扉だ。 その内側からは、人の気配が感じられる。 誰とも知れない声が幾重にも連なって届けられる。 他に大勢、人目があるというのは都合がいい 今この瞬間に飛び込まずして、いっ飛び込めというの だろう。 「お願いですっ! エリザベス様っ!」「どうか、どうか お待ち下さい!」「フィッツクラレンス家のためでござい ます!どうかお留まり下さい!」「お父上が悲しまれま すぞっ」「エリザベス様っ!お願いですからお戻り下 近衛兵たちの声もどこか遠く感じられる。 私は両手で勢いよく扉を開いた。 ・ハアンと大きな音が響き渡る 想定した通り、謁見の間には大勢の貴族が詰めかけて tana始ー08ー371.png 0 そして、その只中には彼の姿があった。 なんて格好いいんだろう。 「し、失礼するわっ!」 おかげで声が震えてしまう。 今の私、変じゃないかしら。 せめて一端の女として、彼の瞳に映っているかしら。 その視線を受けて、全身から汗が吹き粤のを感じる。 「:::リ、リズワ・」 お父様が声を上げた。 普段であれば、これを無視して言葉を続けるなんてあ りえない。ただ、本日に限って言えば、私は高揚してい た。これでもかと興奮していた。大好きな彼の姿を目の 当たりにして、胸の高鳴りを抑えきれなかった。 むーっー 聖女の悶える声など、まるで気にならない。 大切なのは彼、彼だけ。 ああ、彼がいる。彼の声が、息遣いが聞こえてくる なんて幸せなんだろう。 「陛下ー・諸悪の根源を連れて参りましたっ!」 声高らかに宣言すると同時、私の身体は静かに絶頂を 迎えた。 tana始ー08ー372.png 0 田中~年齢イコール被女いないの第法い~ あとかき 去ること七月、ネット小説大賞の受賞作品が発表されました。 思い起こせば本作もまた、同大賞での受賞をきっかけに書籍化させて頂いた経緯 がございます。当時は三回目の開催となりまして、今年で六回目を重ねるネット小 説大賞ですから、三年前の出来事となります。 三年間というと、小学校を卒業して間もない中学生が、高等学校に進学するほど の期間でございます。そう考えると比較的長く感じられる一方、本作八冊分と考え ると、意外と短いような気もします。 そして、ことライトノベル作家については、半数近くがデビューから三年経たず に消えていく、といったお話をどこかで耳にした覚えがございます。そうなると作 家が生み出す「作品」については、もっと速いペースで消えていくことになります。 そうした流行り廃りの激しい世の中で、三年という期間にわたり、書籍として読 んで頂けているという事実を非常に嬉しく感じております。本作を手に取って下さ る皆様におかれましては、厚くお礼申し上げたく存じます。本当にありがとうござ tana始ー08ー373.png 0 あとがき います。 おかげさまでタベストリーや抱き枕など、色々とグッズを作って頂くことにもな りました。制作されたグッズは見本として幾つか頂戴できるため、また、併せて自 身でも買い込んでいるため、昨今では部屋がだたろう先生のイラスト尽くしと なっております。 だたろう画伯記念館と称しても差し支えない装いです。 取り分けゴッゴルちゃんの存在が抜きん出ておりまして、まるで南の国を訪れた かの如く、右を見ては褐色、左を見ても褐色。褐色ロリータ可愛いです。着実に影 響を受け始めている自分に気づきました。 次点では0リゴ公姿が多く見られます。同時にヒ0インたちに付属して登場す る主人公の存在もまた、これが意外と強烈です。何気なく視線を移すと、网の方に いる彼と目が合う、そんな感じでございます さて、こちらの流れで謝辞とさせて頂きましては、、 しつも超絶美麗かっ生き生き としたキャラクラーを描いて下さるだたろう先生、心より感謝を申し上げます。 先生のイラストあってこその本作でございます。 い7 tanaka_08—374.png 0 田中~年齢イコール被女いないの第法使い~ 担当ー様並びにノベルズ編集部の皆様には、原稿の編集のみならずグッズの 企画や海外展開など、様々な場面でのご対応まことに痛み入ります。 また、校正や営業、デザイナーのご担当者様、書籍を店頭に並べて下さる全国の 書店様、おカ添えを下さる関係各所の皆様、そして何よりも本作を応援して下さる 読者の皆様、ご尽力を賜りましたこと心より感謝いたします。 どうぞ今後とも、小説家にな一発、ノベルズの「田中」をよろしくお願い いたします。 ぶんころり(金髪ロリ文)